財団法人 地球環境財団 | 理事長挨拶

理事長挨拶

環境に負荷を与えない地球社会の構築を目指して


SKY01001.JPG    地球と自然と人類は、46億年に及ぶ地球カレンダーの時空間軸の中で一衣帯水の三位一体であり、一蓮托生の有機体です。
 地球が自然を培い、自然が人間を育み、人間は自然が地球上で創造する食物を通じて、生命をいただき、生命をつないでいることを、私たちは肝に命じつつ、忘れてはなりません。自然の摂理を前に、人類の英知がいかに無知蒙昧で、無力か、謙虚に自省しなければなりません。

 人類が火を発見し、エネルギー資源を追い求めてから、遥かに悠久な文化/文明の歩みの中で、私たち現代世代は開けてはならないパンドラの箱に目が眩み、その虜(とりこ)と化して、今日に至っています。
 産業革命以降、私たち現代世代が化石燃料を使い始めて、未だ250年。石油に至っては、1859年に米国で試掘に成功して以来、わずか150年の歩みにも拘らず、確認可採埋蔵量はあと41年分を残すだけで、早くも枯渇へのカウントダウンが迫っています。

 今日の地球環境問題は、私たち現代世代が誰からのお咎めもなく、エネルギー源に化石燃料を使い始めて、ガソリンをがぶ呑みにするクルマ社会をはじめ、快適で、便利な消費生活を謳歌してきた化石燃料文明に酔い痴れ、浸り切ってきたことが、その発端であり、元凶だったのです。

 欲望の向くまま、飽くなき豊かさを追い求めて、一瞬の油上楼閣で化石燃料文明を貪っているうちに、地球への環境負荷が嵩み、気が付いた時には取り返しがつかない事態に陥っていたのです。経済成長とエネルギー需要と環境保全の3E(Economy, Energy, Environment)が並び立たないトリレンマ(三律背反)の中で、人類の営みそのものが環境を汚染し、自然の生態系を狂わせ、地球を蝕むに及んで、環境と自然と地球からの逆襲に晒されています。

 地球温暖化による「気候変動は温室効果ガスの排出に伴う費用を、排出者が支払ってこなかった結果」(2006/10発表の英スターン・レビュー・レポート)であり、その費用を支払ってこなかった排出者とは他ならぬ産業革命以降の私たち現代世代であることは明白です。持続可能な低炭素社会の構築は、私たち現代世代の未来世代に対する罪滅ぼしであり、社会的責任の重さを痛感します。

 しかし、国際社会における地球環境問題への危機意識は今なお稀薄で、課題解決への取り組みは前途多難です。2009年12月開催のCOP15(第15回国連気候変動枠組み締約国会議)は、京都議定書に続く2013年以降の新しい枠組みを取り決める極めて重要な唯一の場でしたが、残念ながら法的拘束力のない政治的な「コペンハーゲン合意」だけで閉幕しました。先進国と新興/途上国が国益を譲らず対立し、決裂したためです。

 当財団は、環境に負荷を与えない地球社会の創造と構築へ向けて、志と思いを共有する地球人/アーシアン(Earthian)の英知を結集し、行動に移していくための多種多様な出会いを支援しつつ、山積する地球的問題群(Global Issues)の課題解決に資することを目指しています。各位の心からのご理解とご支援、ご協力を賜れば幸甚です。

2010(平成22)年3月吉日

財団法人 地球環境財団
理事長 嶋矢志郎

嶋矢理事長のプロフィール

1937(昭和12)年東京都生まれ。
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 早稲田大学政経学部卒、日本経済新聞社(記者職)入社、論説副主幹/論説委員を最後に、大学教授へ転じ、芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授、同大学先端工学研究機構客員教授等を経て、現職に至る。この間、政府、中央官庁、地方自治体等の各種委員など公職を多数歴任する一方、新聞、雑誌への寄稿及びTVのキャスター、ラジオのパーソナリティー等、各種マスメディアにレギュラー出演。
 専門は、地球社会論、現代文明論、環境共生論、環境経営論、CSR論。