デカップリング(Decoupling)政策のすすめ
デカップリング(Decoupling)とは、密接に関係する2つの要素を引き離すことです。最近、経済とエネルギーと環境をめぐる政策論争の中でよく使われています。従来は、経済成長のためには、エネルギー需要が増大して、環境負荷も嵩むため、これら3E(Economy, Energy, Environment)が連動するのは当然の常識であり、経済の成長を目指しながら、エネルギー需要を削減し、環境負荷も抑制することは、不可能であると考えられてきました。
しかし、21世紀に入った頃から、この常識を破って、経済の成長を目指しながら、エネルギー需要を削減し、環境負荷も抑制するという、いわば理想的な3Eのデカップリング政策に成功する国々が登場してきました。化石燃料の需要を削減し、CO2の排出量を抑制しながら、GDP(国内総生産)の増大を実現している国々の登場です。ドイツをはじめ、英国などEU諸国と北欧の国々です。
これに対し、日米両国をはじめ、新興国の中国やインドなどは旧態依然としたカップリング状態に止まっています。アメリカはオバマ大統領の就任以来、デカップリング政策への転換に布石を打ち始めていますが、日本はどうでしょうか。
鳩山政権は2009年9月の国連総会での国際公約に続いて、COP15を受けた2010年1月末までが提出期限の中期目標でも90年比25%削減を提示して、デカップリング政策への転換機会を演出しました。日本もピンチをチャンスと受け止めて、官民を挙げてミクロ(企業経営)とマクロ(国民経済)の両面から経済モデル全体をデカップリング型の制度設計へ、全面的な構造改革を推進することにより、迫り来る国際的なエネルギー大競争時代に備えていくことが肝要です。

