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2010年2月25日
『沈黙の春』 レイチェル・カーソン著

この一冊、読んでますか?:当財団のお奨め本。

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『沈黙の春』(原題:Silent Spring)

著者■レイチェル・カーソン
(Rachel L. Carson)

翻訳■青樹簗一

出版■新潮社

定価■新潮文庫 660円  
単行本  2520円



 原著は1962年、今から約半世紀も前に世に問われた警告の書です。当時は、環境問題と言えば、主に産業公害問題のことでしたが、その産業公害を含め、今日に至る一連の地球環境問題とは一体、何か、を知る上で最もお奨めしたい、もはや古典としての地位を確立しているバイブル本です。


 著者は、発生遺伝学を修めたアメリカ女性で、海洋生物学者ですが、本書はフィールドワーカーとしての観察力と社会批評家としての洞察力で、DDTなど殺虫剤をはじめ、農薬などの化学物質が食物連鎖により、自然の生態系を破壊し、人間への影響を初めて指摘して、環境問題が人間の生命の核である遺伝子を直撃する事態へ、深刻化していることを警告しました。

 環境問題が一段と切実で、もはや明日では遅過ぎて、すでに私たちの身の回りに迫っている今日の問題であることを強く訴えています。特に、環境問題は偏に現代文明の負の遺産であり、この課題解決には現代文明の作法を抜本的に構造改革しない限り、道は拓けないことを示唆しています。

 本書が出版されてから、およそ半世紀。その間に、環境問題は改善どころか、悪化の一途を辿っていますが、その原因者である私たち一人ひとりが本書を通じて、広く環境と環境問題への認識と倫理観をより深めていくことが肝心です。


 なお、著者は本書の執筆中に癌の宣告を受け、著わして2年後の1964年の春に亡くなりました。56歳の若さでした。